上を向いて歩こう 2

上を向いて歩こう 2

今朝はほんの少し霞がかかっているような、ライトブルーの青空が広がる街を歩きました。
朝の空気は身体を芯からリフレッシュさせてくれ、太陽は心に未来への希望と勇気を与えてくれました。
今、私の人生は秋の収穫期を迎え、若い頃には全く分からなかったその当時の出会いと出来事の意味を、まるで霞が晴れていくように一つ一つ解いていってくれるようです。
今朝も歩き始めたら、デビュー当時にお会いした、今は故人となられたお二人の大先輩のお顔が浮かびました。
お一人は、1stアルバムのトラックダウンをしていた、ビクターの編集スタジオに、ふらりと入ってこられ、「いいねぇ、羽岡くん、いいよ、Good だよ。」と言ってくださった、すぎやまこういちさんでした。
その時、何がいいのか解説をしていただいたのですが、その内容はよく分かりませんでした。
そしてもうお一人は、あるパーティーで「オーイ、ハネオカ!こっち来て座れ!」と少し大きな声で手招きして呼んでくれた、中村八大さんでした。
八大さんはにこにこ顔で、当時高級品だったジャックダニエルをグラスに注いでくれて、笑顔のまま、「お前の今度のシングル、あれなんだ、あんな人が歌えない歌作ってどうすんだ、俺の『上を向いて歩こう』なんか、アレ、ヨナ抜き(音階のファとシが抜けていて演歌に使われる技法)だよ!ナァ、飲め、バカだなぁお前」と言われました。
その後延々となんでバカなのかを解説していただきましたが、私は周りの目が気になっていたこともあり、ボーっとしていてその内容はやはりよく分かりませんでした。
いずれにせよ、この一見正反対のように聞こえる両先輩のお言葉が、事あるごとに意味を深めていくこととなりました。
結論から言うとお二人に言われたことは、私の人生にとってどちらも珠玉のお言葉となっていきましたが、それにはこの後の出会いと出来事を体験していく事を通して、次第にその意味の正体を現す事となっていきました。この続きは次回をお楽しみに…。
それではまた次回、よろしくお願いいたします。

羽岡仁

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