シュークリームの夢

世界は3ヶ月前とは一変して、日本もロシアから敵国扱いに変わり、ウクライナと同様に自国領土と主張して北海道侵略の恫喝を受け、北朝鮮は次々とミサイルを飛ばし、核実験再開を表明し、日本を核攻撃の予告で威嚇。
中国は尖閣諸島周辺を自国領海として、日本漁船を暴力的に追い出す行為を常態化させ、沖縄を含む第一列島線内を自国領海領土と主張し始めています。
さらに中国は、売電事業その他様々な形での浸透工作により、日本を実効支配する既成事実を積み上げてきていて、いよいよ私たち日本人は、この現実を直視し、しっかりとした自律の意志を持ち、社会を構成する1人1人として、あなたまかせにしない、未来への責任が問われてきているようです。
さて、話を戻せば、私はレコード会社の契約を解消、丁度その時期に事務所の解散も重なり、他の事務所からお誘いをいただいたりもしましたが、結果的にお断りし、フリーランスを選びました。
そして、本気で一般の仕事を探したりしていました。
そんなある日夢を見たのです。
それはこんなシーンから始まりました。
私は、真っ黒にもかかわらず光に満ちた空、宇宙に浮かぶ広大な場所に立っていました。
目の前には、なぜか光に満ちた真っ白なタージマハルがあり、そこに少し昔の型の、くすんだ深緑色の車両を連ねた、まるで銀河鉄道のようなSLが走ってきて私の前に止まりました。
私がその列車に乗り込むと、すぐに動き出して、だんだん速度を上げると、空を走る列車は向きを下に変えたかと思うとさらにスピードを上げ、ついに地上に開いたトンネルの中に轟音を響かせて突入していきました。
そのトンネルの中で左右にクネクネ曲がって走った後、速度を落として、地下にある駅に着きました。
列車から降りると、何故か真紅のカーペットが伸びていて、その上を少し歩くと大きな扉があったので、中に入ると、そこは何か控室のような白い部屋でした。
やはり白い机の上になぜかフレンチホルンが置いてありました。
私はホルンを持って机の反対側のドアを開くと、なんとそこは国会議事堂の議会室で、しかもドアは大臣席側にあったのですが、そこはオーケストラの席になっていたので、私はホルンの席に座って、いざホルンを吹こうとするとマウスピースが消えてありません。
そこで私はさっきの部屋に戻り、マウスピースを探したのですが、どこにもなく、さっきはなかったアルトサックスが机の上に置いてあったので、マウスピースがついてることを確かめた上で、ホルンを置き、アルトサックスに持ち替えて大臣席に戻り、吹こうとするとまたマウスピースが消えていました。
そこでまた控室に戻ると、さっき机の上に置いたホルンもろとも机までも消えてありませんでした。
すると大臣席側のドアと反対側の目の前に、同じようにドアがあったので、開いてみると真っ暗で、下に向かって降りる階段があったので、アルトサックスを部屋の床に置き、階段を降りて行きました。
すると、人の気配があるのですが、真っ暗で何も見えない、けれど何かが動いている小さな機械音が聞こえました。
少し目が暗さに慣れてきたところでよく見ると、お腹の高さのあたりにベルトコンベアが動いていて、シュークリームがその上に乗せられて回っていました。
その後、すぐ目の前に人影が立っている事に気づき、私は咄嗟にシュークリームを手に取って、真っ黒な人の口の中にねじ込みました。
するとその人の身体全体から何かがバラバラッと落ちました。
それと同時にフワッとその人とその周りが明るくなりました。
何がバラバラ落ちたのかとよく見ると、そこに落ちていたのは無数の蛭(ヒル)でした。
そしてそこは、何か特殊なシュークリームを作る作業場だと分かりました。
さらにそこには何人もの人がいる事に気づいた私は、無我夢中でその人たちの口の中に、次々とシュークリームを押し込んでいきました。
そのたびに周りがフワッと明るくなって、広い部屋全体が見えてきたその時、前方に黒い霧に包まれた黒皮のタイトなジャンプスーツを着て、毒々しく長い黒髪に、唇にはやはり毒々しい赤黒い口紅を塗って鞭を持った女性が、吊り上がって鋭く血走った目で、まるで呪うかのように私の目を睨みつけて立っていました。
それを見た途端、また咄嗟に私はシュークリームを両手一杯につかみ、ダッシュして全速力で女性のもとに走り、口の中に全部押し込みました。
そうしたらパーっと彼女の周りを包んでいた怪しげな黒い霧が飛び散り、ものすごく明るくなったかと思うと、何とその女性は、足元までの純白のワンピースに幅広い皮のベルト、ストレートの美しく長い金髪、青く潤む慈愛に満ちた瞳で、私に感謝を込めてお辞儀をして、「助けていただいて、ありがとうございました」と言いました。
部屋が明るくなったので、よく見えるようになった向こう側にドアがあったので、私は行ってそのドアを開けたら外に出ました。
なんと、そこはまぶしい太陽と青空のもと、草原が広がる大地でした。
そして私の後から金髪の女性をはじめ、たくさんの笑顔いっぱいの人々が続いて出てきました。
私は幸せに満たされて皆さんと一緒に歌いました。
その後、私のこの夢は、私のそれからの人生の分かれ道に出会うたびに、どっちの道を選択するかの手引きとなっていきました。
そして今、秋を迎えた人生を振り返るとき、そこには一度たりとも、意味なく起こるたまたまの出来事はなく、全てが意味があり、繋がっていた、必然そのものの道往きであったことが見えてきました。
私の人生は、宇宙に浮かぶタージマハルにはじまった、シュークリームの不思議な夢に導かれて歩んできたような気がしています。
皆さんも、この夢にはどのような意味があったのか、謎解きを楽しんでみてください。
私の謎解きは次回に譲りたいと思います。
次回も、何卒よろしくお願い申し上げます。

羽岡仁

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