またもや挑戦

2006年、ビクターから、1975年に発売された2ndアルバム「向こう岸から」を紙ジャケCDで再発売します。と電話がありました。
余りにも唐突なお話だったので、一瞬意味がよく分からなかったほどで、「羽岡さんですか?私、このたびCD の担当させていただきます、ビクターの○○と申します、よろしくお願いします」
と言われてやっと普段の状態に戻りました。
そして本当に再発売されたCDは、レコード発売当時のミックスのままで、少しヒズミが入った部分も同じ、懐かしい音でした。
しかし、最初の発売から30年も経って、今頃どうして?と思いましたが、とりあえず喜んで、当時講師をしていた音楽専門学校の掲示板にも貼り付けてもらいました。
このアルバムは、プロ作家のような書き方をした「愛はヴィオロン」「ためらい」を除いて、後の曲は当時の私の歌そのもの、という意味で非常に貴重なアルバムなのと、おそらくビクターでも、当時最高ランクの制作費をかけて作ったアルバムの1枚だった、という意味でも、私にとって特別なアルバムだと言えます。
ただ、普通に考えたら、いくら過去のアルバムとは言え、まっさらなCD として発売されるからには、本人である私が何もしない訳にもいかず、かと言って、どこの事務所にも所属していない、完全にフリーな状態でしたので、それこそ番組にブッキングしてもらう事もできず、細々と続けていたライブの中で、アルバムの中の何曲かを歌うことにして、練習をしてみました。
すると高いところがキツくなっていて、あぁ、やっぱり歳か、と落胆したりしていました。
それでもライブ当日までには何とか間に合わせて、一応歌いきりました。
ところがそれから16年経った今年の夏、子どもたちのために作った曲の最高音が、2nd アルバムの最高音と同じになってしまい、それでもレコーディングしたら、いろいろ頑張ってやっているうちになんと、最高音が出て、終わってみたら、今まで録音した中で一番高い音域のレコーディングになっていました。
これはどういう事だろう、と思いましたが、先日から歌ってみていると、若い頃と同じようには歌えないとしても、まだやれる、まだGive up .する訳にはいかない、
と、やる気が段々湧いてきました。
ちなみに今朝も1時間弱歩き、簡単な筋トレをして、シャワーで汗を流してから、仕事に入りました。
不思議に元気が湧いてきます。
もしかすると、またあの2006年のような事が起こるのかもしれません。
何事が起きようと、全身全霊で生きようと思っています。
新しい気持ちで、心と身体をリフレッシュして、次の仕事に向かってスタートしました。
今後とも、何卒よろしく、
お願い申し上げます。

羽岡仁

Share:
Copyright Jin Haneoka. All Rights Reserved.