咲き誇る花園

兼ねてよりお伝えしていた、私の2nd アルバム「向う岸から」(向こう岸ではなくて向う岸でした、スミマセン)が、ビクターエンターテインメントより、9月28日Apple Music 、Spotify 、Amazonほか、から世界配信を開始しました。
早速検索してみたら、ありましたー!
1975年の自分の歌を聴くのは不思議な体験でした。
というのも、聴いた瞬間から、私は、1975年のビクター第1スタジオにいて、プレイバックを聴いている状態になっていたのです。
アナログのガッチリしたヘッドホンアンプや、目の前にはお馴染みのコンデンサーマイク、ガラスの向こうでディレクターの永田さんが、「いいんじゃない⤴︎いいんじゃない⤴︎」と懸命に乗せようとしていて、私も自分を乗せようとあの手この手で頑張っている。
そこにいろんなミュージシャンやスタッフが入れ替わり立ち替わり覗きにきて、「いいじゃん、とっても」と言って、冷やかしの冗談をつけて「またねー」と出て行く。
その昔「時は魔法ね」という歌をしますえよしおさんに書いて、新星堂オーマガトキレーベルから発売され、後に私も2015年に発売しましたが、まさに、時間は不思議で、まるで昨日の事のように、とは言いますが、今回は完全に47年前にタイムスリップして、まるで今になっていました。
それにつけ加えてもう一つ不思議な体験をしました。
それは、いつの間にかアルバムタイトル曲「向う岸から」を今の私がレコーディングしていて、歌詞の「ほの白い闇」の景色が、見る見る鮮やかなカラーの、咲き誇る花園に変わって、涙ぐみ微笑んで向う岸から眺めてる人波が、一人一人はっきりとした個性のある人々に変わって、ちゃんとイキイキと生きていて、笑顔で声を掛けてくれるのです。
私はその瞬間、心で叫んでいました。
「みんな生きてたんだ!」
「今も生きてるんだ!」
だから、一番大切なものはずっと変わらない、
生命は死なない!
私はこの宇宙に愛されて、生かされて存在する自分自身を、思いっきり味わい、抱きしめて、生きててよかったねー、と、そして大空に両手を広げて、思いっきり、ありがとうございまーす!と叫びました。
夢なのか現実なのか分からない、
ただ、ある実感を持ちました。
それは、やがてこの肉体が限界を迎えて、この世を去っていっても、私の存在はなくならない。
生命は永遠を生き通して、変わる事のない願いを、またどこかの町に生まれて生きてゆく、悲しみと苦しみと憧れと希望に満ちて。
その願いとは、私を含め、全ての人が自らの本心に目覚め、自他を赦し、愛する側の人になること。
いつかきっとその日が来る。
長い間、それまで待てない、生きられないと諦めていたニヒリズムから解き放たれました。
47年の間、求め、問いかけ続け、47年前の自分の作った曲に、思わぬ解答をもらいました。
たとえそれが夢であっても構いません。
私は確信を持ったのですから。
今は、全世界に、ありがとうございました、と言いたいのです。
だからこれから、思う存分、一生懸命生かされる時間を大切に、生きまーす!
作りまーす!
歌いまーす!
よろしくお願いいたしまーす!

羽岡仁

Share:
Copyright Jin Haneoka. All Rights Reserved.