向う岸から

2ndアルバム「向う岸から」が世界配信を開始して10日が経ちました。
このアルバムからいろんな事に気づかされ、教えられてきた10日間でした。
生まれてからこのアルバムまでの私の人生は、色で表せば、重い感じの灰色でした。
このアルバムは、そこに本当に細い光が差し込んできた感じの色合いです。
その光とは、音楽そのものでした。
以前にも書いたように、それは辛い日々からの逃避だったのかもしれません。
理由は何であれ、音楽との出会いが成人して以降、私の人生を作る最大要素となっていきました。
このアルバム以後、いろんなオーダーを形にする職人として生業を立ててきましたが、その根底を支えていた私の正体はシンガーソングライターであったことに、あらためて気づかされました。
私の奥底にある謂わば私の本体は、明らかに何かを伝えようという意志を持っていて、それを歌という形にしている、
今このアルバムを聴くと、その私の意志を生々しく訴えてきます。
ただ、このアルバムの中の私は全く無自覚な羽丘じん、です。
むしろだからこそ、ある意味で自分を作ったりできない素直な、未熟そのまんまの心が聴こえてきます。
あれから47年を経て、私は自覚的に意志を湧き上がらせ、できる限り夾雑物を取り去り、伝えたい想いを歌に込めて歌う、シンガーソングライターを目指して曲作りに挑戦しています。
何を成し遂げるか、ではなくて何を大切にするか、が私にとって一番重要なことになりました。
そして、コロナ禍で塞がれた心を思いっきり解放して、心を開いて新しい時代を作ってゆく希望を、本当に取り戻していきたい。
そんな気持ちが込み上げてきて、
歌を作り始めています。
そして、体作りを始めています。
まだやる気というより、やっとこれからが本番という感じです。
今、向う岸は、私の中で此方の岸と繋がりました。
今生の終わりが全ての終わりではなく、実は永遠を生きることの方が自然な生き方だと感じています。
そうでないと、アルバムの最後から2番目の曲「愛はヴィオロン」の中の詞のように、「短いよ短い、人生はつかの間」になって、時間が足りませ〰︎ん。
願いを生きるには、やはり永遠でないと、ですね。
勿論、前回書かせていただいたように、たとえそれが夢であっても構いません。
私は、確信を持ったのですから。
そして、ここまで連れてきてくれた、全ての出会いには感謝しかありません。
世界に向かって言いたいのです。本当にありがとうございました。
だから、できる限り作り、歌っていきたいと思っておりますので、
前回に重ねて、
今後とも、
何卒よろしくお願い申し上げます。

羽岡仁

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