シャルル アズナブール

皆さん!
お元気ですか!
9月17日に東京公演で来日されたシャルルアズナブールさんが、10月1日、94年の生涯を終えて、天国に帰られました。
僕はアズナブールさんとは2度ほどお会いしただけだけれど、僕にとってアズナブールさんは大恩人でした。
僕がデビューしたきっかけが、神戸の小さなフランス料理店で、アズナブールさんの曲を歌って評判になり、それが東京まで伝わったのが始まりだったからです。
僕が影響を受けたアーティストはあまりにもたくさんいて、全部はとてもご紹介できませんが、しいて挙げれば、ビートルズとシャルルアズナブールということになります。
シャルル アズナブールの世界には、憂いに満ちた人生の中で、必死に生きる男の生きざまが数多く歌われています。
その光と影に魅了されて、僕は歌を作り、歌い始めました。
そして彼が召されたその日に、僕はもう一度じっくりとアズナブールを味わい、彼が僕に伝えようとしたメッセージに気づきました。
それは、ややもすると、自分以外の人や世界に、きれいな形を求めてしまう僕に、この不足と不備だらけの世界で、人は、時におごり高ぶり、時につまずき、間違い、嘆き悲しみ、苦しみながら生きている。
その市井の人々の生身の人生を思い切り抱きしめ、愛しなさい…。
僕はそのメッセージに打ちのめされました。
人生の理想を求めることはとても大切だと思っていますし、それは僕のメインテーマでもあります。
しかし、未熟な僕は世界に自分の理想を当てはめようとして、時に愛をないがしろにしてきてしまったという後悔が湧いてきました。
僕は、シャルル アズナブールさんにまたも大きなプレゼントをもらったようです。
シャルル アズナブールさん、
お疲れ様でした。
見事な人生でした!
本当にありがとうございました。
またいつかお会いしましょう。

羽岡仁

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